2009年1月15日木曜日

ナイトギャラリー

スポットで展示中の作品を照らしていますが

駅前の通りからは店内が良く見えます

夜はライトアップされた絵が本当に綺麗です

是非皆様にご覧になって頂きたい!

そんな気持ちから閉店後もライトアップし

道行く人に鑑賞して頂けたらと思います



作者からのことばを 載せさせていただきたいと思います

日本画とは

本日はお越し頂きまことにありがとうございます。
ここで展示されている絵は、
全て日本画の絵の具で描かれています。
「日本画」と言って、よく聞かれるのは
「それは、水墨画(または葛飾北斎などの絵)のことですか?」
という質問です。
水墨画というのは、墨線と墨の濃淡、
にじみや、ぼかしによって表現する絵画のことであり、
富士山と波の絵が有名な北斎などの絵は浮世絵と呼ばれ、
現代では主に版画に分類されます。
では、ここで言う日本画とは、
一体どういったものなのか、簡単にご説明します。
日本画では、岩絵具と呼ばれる天然の鉱物を粉末状に
砕いた顔料と膠(にかわ)を混ぜたものを絵の具として使用します。
膠は、主に牛や豚、兎の皮や骨、腱などから抽出されるコラーゲン、
そして良質の動物性蛋白質を主成分としたもので、
古くから岩絵具の接着剤の一つとして利用されてきました。
(これから更に不純物を取り除き精製したものが
食用ゼラチンとなるのです。)
加熱して溶かした膠と水を岩絵具に加え、画面に塗ると、
時間と共に水だけが蒸発し、膠が乾き岩絵具が画面に定着します。
一度固まると膠は溶けることはありません。
このような作業を繰り返し、絵の具を重ねることで絵は完成します。
ここで他の絵画と違うところがあります。
先に述べたように、膠は動物のタンパク質です。
完全に乾いてないと、時間とともに
あっという間に膠は腐ってしまいます。
夏や梅雨の時期は特にそうです。和紙にもカビが生えてしまいます。
そしてそれらでは美しい岩絵具の発色は不可能なのです。
日本画は昔より、自然から生まれたものを使ってきました。
画面は季節による気温や湿度に左右され、
全てが人間の思うようには描けませんでした。
しかし故人達はその自然を美しいと感じ、花を愛で、
それを純粋に画面に描き出したのです。
私が日本画に惹かれたのも、
そんなところに何よりも魅力を感じたからです。
以前より簡単に自分のしたい事が出来るようになった現代。
にもかかわらず、今の時代に
私はどこか人間の寂しさを感じてしまいます。
自然、そして人との関わり方の大切さを
この絵画はもう一度教えてくれるような気がするのです。
最後になりましたが、
このような素敵な場をお借りできた事をお店のオーナーさんを始め、
お手伝いして下さった方に心から感謝申し上げます。


永岡郁美

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